05-おでかけ

誕生日旅行 その5 血だらけのドッグラン

ポチが公園で逸走したことは、かなりのショックでした。

ポチが逃げたというよりも、どこか気の緩みがあった僕自身の情け
なさと、それに対する怒りがふつふつと湧いてきました。

この日は快晴で気温も上がり、格好のドライブ日和でしたが、僕は
とてもブルーな気分でした。

そして、帰路は東名高速に乗ったとたん、強烈な睡魔が襲ってきま
した。前日はあまり寝ていません。単調な高速道路の運転は、本当に
眠くなります。

なので、このような睡魔が襲ってきたときには、すぐに近くのサービス
エリアかパーキングエリアに入り、仮眠を取りました。5分でも寝ると
全然気分が違います。自宅に着くまで、3回ほど仮眠を取りました。

ポチも浜や公園などでの動き回ったので、かなりお疲れの様子です。
帰りの車での中では、ずっと寝ていました。

ただ、トイレ休憩は必要だと思い、ドッグランのある「駿河湾沼津SA
でいったんポチを降ろしました。ここは新しくできた新東名にある
サービスエリアなので、とてもきれいです。遠くには駿河湾を望むこと
もできます。

ドッグランの近くには「PET PARADISE」のショップとドッグカフェが
ありました。高速のSAに、こんなペット専門店があるとは驚きです。

本当は先に店内に入りたかったのですが、まずはポチをドッグランへ
連れていくことにしました。

土曜日午後のドッグランは、大小さまざまな犬で賑わっていました。
ポチはいつものように、いろいろな犬へ近づいていきます。そして、
仲良く遊んでは、別の犬のほうへ移っていきます。その間に、オシッコ
もウンチもしました。

珍しく2頭の柴犬がいたのですが、1頭には吠えられたので仲良くは
なれなかったのですが、もう1頭とはじゃれ合って遊んでいました。
しかし、この一緒に遊んでいた柴犬が、このあと大変なことになって
しまったのです。

20分ほどすると、ポチに対して吠えていた柴犬が出ていき、ドッグラン
は少しずつ犬の数が少なくなっていました。

すると、ポチと仲の良かった柴犬が、全速力で追いかけっこをし始めた
のです。

しかし、2、3分後に、前を走っていた柴犬がドッグランを囲っている
金属製のフェンスの編み目に前足が入ってしまったのです。

すぐに足が抜けない柴犬は、キャンキャンと大きな声で鳴きました。
悲痛な声がドッグランに鳴り響きました。

びっくりした飼い主(女性)が足を抜こうと犬に近づいていきます。
しかし、犬に触った瞬間、いきなり飼い主の手に噛みついたのです。

その方はかなり痛そうにしましたが、それでも犬の足を抜こうとし
ました。けど、なかなか抜けません。そのうちに、手からは血が流れ
始めました。

ドッグランの中はパニック状態でした。ポチも興奮して「ワンワン」と
吠え続けています。こんなふうに吠えるポチは初めてです。

僕はまずはポチを落ち着けさせようと、リードを付けようと思いました
が、興奮しているためか、すぐに逃げてしまいます。なので、何とか
ポチの気を引き、その場から離れたところへポチを誘導しました。

ポチを落ち着かせるのに懸命で、そのとき僕は柴犬や飼い主には何も
してあげることができませんでした。

柴犬のほうを見ると、PET PARADISEの店内からスタッフがやって来て、
首輪を巧みにつかんでフェンスから足を抜きました。

飼い主は、反対の手で噛まれたところを覆い、呆然としています。手から
は血がしたたっていました。

そして、血は柴犬のほうにもベッタリと付いています。

店のスタッフは犬の扱いがとても上手で、柴犬をうまく落ち着かせ、
ケガの状態もチェックしています。多少足は引きずっていましたが、
大きなケガではなさそうです。

SAの事務所からもスタッフが応急セットを持ってかけつけ、飼い主の
ケガの具合を見ています。遠くからだったので、傷の深さは分かり
ませんでしたが、かなりの血が出ていたので、もしかしから深い傷
だったかもしれません。

スタッフと飼い主の会話のやり取りを聞いていると、どうやら飼い主は
地元の方のようです。そして、この柴犬には以前も噛まれたことが
あるということでした。

気づくと、ドッグランの中にはほとんど犬が居なくなっていました。
僕は飼い主と柴犬のことが気になったので、15分くらい中にいました。

ポチは徐々に落ち着きを取り戻し、リードも付けることができたので、
ドッグランから出ることにしました。

そして、PET PARADISEにも寄らずに、車へ向かいました。

車へ向かう間、ずっとこう考えていました。「もし、これが逆だった
どうなっていたのだろうか?」と。ポチは足が抜けなくなりつらい
思いし、ケガもしていたかもしれない。そして、ポチの足を抜こうと
して、もしかして僕も噛まれていたのかもしれないと。

すると、ドックランに潜む危険について、恐怖を感じはじめました。
同時に噛み癖の怖さも…。

またまたブルーな気分になりましたが、何とか車を出しました。

けど、その後にはさらにブルーになることが待っていました。

※次回はまとめ(最終回)です。

2013041801
ペットの雑貨を扱う店と、ドッグカフェがこの中に

2013041802
広くはありませんが、手入れがしっかりとされたドッグランです

2013041803
喉が渇いていたんのでしょうか?

2013041804
他の飼い主からボウルで水を飲ませてもらいました

2013041805
ドッグランには大小、いろいろな犬がいました

2013041806
疲れているはずなのに、元気に動き回るポチ

2013041807
ポチの後ろにいるこの柴犬が、足をフェンスの間にはさんでしまいました

コメント

  1. あなくま より:

    こんばんは☆
    タイトルを読んで、内容を読むのがちょっと怖くなっちゃいました(汗)

    ドッグランにはワンコ同士のトラブル以外にも、いろいろ危険はあるんですね。
    すごく勉強になる記事でした。ありがとうございます。

    ポチくんもびっくりしたでしょうね。
    ひげぼうずさんもお疲れさまでした。
    あまりブルーにならないで、元気だしてくださいね♪

  2. ろみきち より:

    前回記事から、ヒヤリとする怖い話が続いて、読みながら涙目になってしまいました[E:shock]
    文字通り、忘れられない旅ですね。

    フェンスに足を取られて抜けなくなった柴ちゃん、驚いてパニックになってしまったんですね。
    写真のポチ君の後ろでニコニコしているお顔を見ると、まだ幼い感じもします。
    飼い主さんも、助けなくては!の一心でのばした手を咬まれてしまって、お気の毒です。
    酷い怪我をされてないといいなぁ[E:weep]
    どこに危険が潜んでいるかは、直面してみないとわからなかったりするものだけに難しいですね。

    ポチ君もひげぼうずさんもショック続きで、大変な帰路でしたね。
    帰宅後はおうちでゆっくりされてると思いますが、ほんとにお疲れさまでした!
    旅の終わりは大団円でお願いしま〜す[E:dog]

  3. Narei より:

    本当色々なトラブルが色んな所に潜んでいますね[E:sweat02]
    こちらも冷静になって判断しなければならないですね[E:sweat01]

    私はモコの首を車のパワーウィンドウで挟んでしまった過去があります[E:down]
    本当申し訳なかったです[E:crying]
    その時、冷静な判断が出来ずパニックでした[E:shock]

  4. ひげぼうず より:

    あなくまさん、こんにちは。

    タイトルはちょっと大げさでしたね。申し訳ありません。

    これまでドッグランには何度か行っていて、小さなトラブルもいくつか
    見かけましたが、今回はかなりビックリしてしまいました。

    ポチの責任ではないにしろ、一緒に遊んでいた犬があのような状態
    になるのは、やはり飼い主としては心が痛みます。

    ポチがドッグランを嫌いにならなければいいのですが…。

  5. ひげぼうず より:

    ろみきちさん、こんにちは。

    ポチもリードで首や足に絡まったときや、僕が誤って足を踏んで
    しまったときに「キャン」と鳴くことがありましたが、あの声は
    本当に聞きたくないものです。

    あのドッグランでは、足をはさまれた柴犬が「キャンキャン」と
    吠え続けていました。まさにパニック状態でしたね。同時に、飼い主
    の方もパニックに陥ってしまったと思います。

    かなり疲れた旅でしたが、いいこともたくさんあったので、長く
    記憶に残るものになったと思います。

  6. ひげぼうず より:

    Nareiさん、こんにちは。

    パワーウィンドウですか。それは大変でしたね。

    そのような場面では、飼い主も本当に慌てますよね。今回のドッグラン
    のことも、反対の立場だったら僕が噛まれていたかもしれません。

    確かに、どんな状況でも冷静な判断が必要ですよね。

  7. 風呼ママ より:

    こんばんは[E:happy01]

    旅行お疲れさまでした
    ポチくん いい表情してますね
    ひげぼうずさんとずっと一緒にいられて 色んなところへ連れていってもらってポチくん嬉しかったでしょうね

    この記事を読んで フェンスに足が入る?と思ったのですが写真を見て納得しました
    網目が大きいんですね
    風呼の行っているドッグランはどんなフェンスだったか思い出してみたのですが 
    小さい網目のフェンスと網だったような気がします。
    犬って追いかけっこしてフェンスにぶつかったりするから 網目の大きいフェンスは危険ですね
    今までは犬同士のトラブルばかりに気をつけてましたが
    これからはドッグランの整備にも注意しないといけないな~と勉強させてもらいました

  8. ひげぼうず より:

    風呼ママさん、こんばんは。

    ドッグランのフェンスというのは、確かにふだんはまったくに気に
    かけないですよね。

    このドッグランの網目は、あの柴犬にはちょうど引っかかってしまう
    ような大きさでした。もう少し大きければ大丈夫だったと思うの
    ですが…。

    フェンスを含めて設備はしっかりと点検したほうがいいですね。